「結婚するふたりは、生まれたときから小指と小指が赤い糸でつながっている」
日本には、こんな美しい言い伝えがあります。目に見えない赤い糸を、おふたりがきちんとたしかめ合えるように、お互いの小指に赤い「結い紐」を結び合う。
一生に一度の、一生の約束。それが、川越氷川神社ならではの儀式「結い紐の儀」です。
結婚が「むすび」の力によって、さらに新しいなにかを生み出すために。
そしておふたりの心がお互いから離れていかないように。
結い紐は、そう願いを込めた儀式。赤い水引を、巫女がひとつひとつ丹念に編み上げてつくられる「結い紐」。
それは、ふたりをより強くむすぶ、指輪になります。
「結い紐の儀」は、川越氷川神社で生まれた、独自の儀式です。一般の結婚式で行われる「指輪交換」の代わりに、水引で編んだ赤い「結い紐」をお互いの左手小指に結び合っていただきます。
「結い紐」はそれぞれの小指の細さ・太さに合わせて、巫女がひとつひとつ心を込めて、手作りで結びあげています。挙式終了後、桐の箱に納めておふたりにお渡しします。
※「結い紐の儀」商標登録第4826202号 平成16年12月17日に婚礼の執行という区分で商標登録されました。
川越氷川神社に古くから伝わる、「境内の玉砂利を持ち帰り、たいせつにすると良縁に恵まれる」との言い伝えにちなみ、本殿前の白い玉砂利を巫女が麻の網に包み、神職がお祓いしたものです。
さまざまな出会いを経て、「生涯をこの人とともに歩んでいこう」と思えるお相手にめぐり会えたとき、おふたり揃ってお参りのうえ、神社にお戻しください。その際、神社からおふたりのご縁が永く固く結ばれるよう祈願した「結い紐のもと」をお渡しします。
「縁結び玉」は生涯の伴侶と出会う時まで、ずっとたいせつにお持ちください。麻の網が古くなった際には、社務所にお持ちいただければ、新しく包み直しいたします。
これからの人生をともに歩もうと決めたおふたりにお渡ししている、特別なお守りです。結婚の日まで、おふたりの「赤い糸」をたいせつに育んでいただきたい、との思いを込めて結んでいます。
「結い紐のもと」は、「結い紐」ふたつ分の長さの、一本の水引を用いて編み上げています。
川越氷川神社で結婚式を挙げる際には、この「結い紐のもと」を挙式前にお預かりし、おふたりの「結い紐」をお作りします。
川越氷川神社で「結い紐の儀」を行い結ばれたおふたりの間に、赤ちゃんを授かったとき、初宮参りの日にはもう一度、お互いの小指に「結い紐」を結び合ってお越しください。「結い紐」をお付けになっているご夫婦には「赤ちゃん結い紐」を差し上げています。
赤ちゃんがこれから、さまざまな人との良いご縁に恵まれて、健やかに、幸せに育つように、赤ちゃんのちいさな小指に結んであげてください。
夫婦と家族の神様を祀る川越氷川神社は、古くから「縁結びの神さま」としても信仰されてました。
「むすび」とは元々「産霊」と書き、「新しいものを産みだす、目に見えない力」のことをいいます。
つまり、人と人がただ出会うだけでなく、そのめぐり会いから「新しいなにか」が生まれることを「むすび」というわけです。
たとえば男女が出会い、夫婦となり、その二人の間に新しい生命を授かったとき。赤ちゃんが男の子ならば「むす・こ」、女の子であれば「むす・め」と呼びます。
誰もが「むすびの力」によって生まれてきた、貴い命であることを表しています。
「結婚」「縁結び」などに使われる「結び」という言葉は、もともと「産す」と「霊」が合わさったもの。
「新たなものを産み出す、見に見えない力」のことをいいます。
結婚式は、おふたりのご縁が、おふたりのしあわせにとどまらず、
広く世の中のご縁・遠く未来のご縁へとつながる場でもあるのです。