2018年2月22日 (木) [氷川の杜(スタッフブログ)]
『和装小物』のお話し
みなさまこんにちは。今日も氷川会館オフィシャルブログにお付き合いをいただき、ありがとうございます。
先ほど、今年七五三を迎えるお子さんを持つスタッフが、着物の小物について話していました。そこで今日は、『和装に欠かせない小物について』のお話しを。
花嫁が身につける小物は、昔は全て実用品だったことをご存知ですか?
今の時代では装飾品として花嫁衣裳に花を添えています。
花嫁の胸元に飾るのは「筥迫(はこせこ)」です。
武家婦人が懐中にはさんでいた布製の紙入れで、今でいう化粧ポーチです。
江戸時代当時、中には懐紙や鏡のほか、櫛、楊枝、小銭などを入れられるポケットがあったそうです。
「懐剣(かいけん)」は護身用の短刀のこと。
非常時には、自分の身は自分で守りなさいという意味で両親から贈られる婚礼道具の一つでした。女性が短刀を所持する習慣は室町時代の頃からと言われています。江戸時代には女性のたしなみとして嫁入り道具の一つになり、その習慣が今に受け継がれています。
「末広(すえひろ)」は扇子のことです。
要から広がっていく末広がりの形がおめでたいとされ、男性も女性も正装には必ず扇子を用います。基本的には白骨に金銀をあしらった扇面のものを用います。花嫁さまは、金の面が見えるように持っていただきます。
これらが実用品であったというのには驚きでした。特に懐剣。結婚が家と家との繋がりを今よりずっと重んじていた時代、結婚には相当の覚悟が必要だったこということです。
花嫁さまが身につける和装小物。言われや意味を知ると、その装いもまた意味あるものだと思います。